「言葉がなかなか出てこない」
「じっとしていられない」
「こだわりが強く、遊びが偏る」
そんな“ちょっと気になる”子どもの様子に、日々悩みながら子育てをしていませんか?
発達の凸凹がある子にとって、「遊び」はただの楽しい時間ではなく、大切な学びと支援のチャンスです。
この記事では、福祉現場で10年以上子どもたちと関わってきた筆者が、家庭で無理なくできる療育的あそび10選を「困りごと別」にご紹介します。
お金をかけずに、今日から実践できるアイデアばかり。ぜひ親子で楽しみながら取り組んでみてください。
家庭療育って何?なぜ遊びが大事なの?

家庭療育とは?
発達支援を目的に、家庭内で行う関わりのこと。
わざわざ施設に行かなくても、毎日の遊びや声かけの中で「育てる工夫」ができるのが特徴です。
なぜ遊びが大事?
子どもは「遊び」を通して世界を理解し、体と心を発達させていきます。
特に、発達に凸凹がある子には、
- 無理のない関わり方
- 興味・関心を引き出すきっかけ
- 「できた!」という成功体験
が必要不可欠。これらはすべて遊びの中に含まれています。
【困りごと別】家庭でできる療育あそび10選
ここでは、子どもの“困りごと”別に効果的なあそびを紹介します。
難しいルールや高価な道具は不要!家庭にあるものでできることばかりです。
🗣 ① 言葉が出にくい子に|まねっこあそび
- 方法:動物の鳴き声や身振り手ぶりを真似する「まねっこゲーム」
- ねらい:模倣力と言葉の理解・表出を促す
- 例:「わんわん!」「ぴょんぴょん!」など音声+動作で
🧠 ② 集中力が続かない子に|ペットボトルキャップ積み

- 方法:キャップを順番に積み上げていくだけの単純遊び
- ねらい:手先の集中・静かな活動に慣れる
- アレンジ:タイマーで「30秒チャレンジ!」
🖐 ③ 手先が不器用な子に|洗濯ばさみでモンスターづくり
- 方法:画用紙に顔を描いて、洗濯ばさみで髪の毛をつける
- ねらい:指先の筋力と創造力の育成
- ポイント:親子でおしゃべりしながら取り組むと◎
🎨 ④ 感覚に過敏・鈍麻がある子に|感触ボックス
- 方法:紙袋や箱に寒天、ビーズ、布などを入れて触る
- ねらい:触覚刺激への慣れ・感覚統合
- 注意点:嫌がるときは「見てるだけ」でもOK!
🎵 ⑤ 落ち着きがない子に|リズムあそび(太鼓・手拍子)

- 方法:音楽に合わせて「トントン・パンパン」
- ねらい:リズム感・身体コントロールの向上
- 使用例:NHKの「いないいないばあっ!」などが◎
⏳ ⑥ 見通しが苦手な子に|スケジュールあそび
- 方法:朝の支度や1日の流れをカードやホワイトボードで「見える化」
- ねらい:予測・見通しの力、パニックの予防
- ポイント:「今なにする?」と声かけも一緒に
🧱 ⑦ こだわりが強い子に|マグネットブロック遊び
- 方法:決まった型だけでなく、自由に作品を作る
- ねらい:柔軟な発想・創造性を引き出す
- おすすめ:「マグフォーマー」「ピタゴラス」など
💬 ⑧ コミュニケーションが苦手な子に|感情カードあそび
- 方法:笑った顔・怒った顔などの表情カードを使って遊ぶ
- ねらい:感情の理解・共感の育成
- アレンジ:「○○ちゃんは今どんな気持ちかな?」
💡 ⑨ 指示が通りにくい子に|「〇〇してからゲーム」
- 方法:「片付けてからおやつ」など、行動の順序を伝える遊び
- ねらい:行動の順序理解・ルールの理解
- アレンジ:「○○したらご褒美スタンプ!」
🪑 ⑩ 座っていられない子に|風船バレー

- 方法:イスに座ったまま、風船を落とさないように打ち返す
- ねらい:姿勢の保持、ルールの理解
- ポイント:褒めながら進めると成功体験に
成功させるポイント4つ

① 「できた!」を大げさに喜ぶ
- 自信がつく→「もっとやってみよう」に変化します。
② その子のペースでOK
- 10分遊べなくてもいい。1分でも座れたらそれが成功!
③ 継続より“日常に取り込む”
- 遊びを「特別な療育時間」にしない。
→ 例えば、洗濯物を一緒に干すのも立派な療育です。
④ 無理しない・比べない
- 成長スピードは子どもそれぞれ。焦らず、その子の“今”に寄り添う気持ちを大切に。
まとめ|遊びは親子の“学びの時間”
発達がゆっくりな子でも、家庭の中でできることはたくさんあります。
療育=特別なことではなく、日常の中にある工夫の積み重ねです。
遊びは、親子で笑い合いながら“育つ力”を引き出してくれる最高のツール。
ぜひ気になるあそびから、今日から取り入れてみてくださいね。
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