療育の現場でよく聞く「ASD」「感覚統合」「構造化支援」などの専門用語。
初めて聞く保護者にとっては「難しそう」「専門家しか分からないのでは?」と不安になることもありますよね。
でも大丈夫。
この記事では、発達支援・療育の基本用語をわかりやすく50語以上解説します。
保育園や学校、支援機関とのコミュニケーションもぐっとスムーズになるはずです。
【1】発達障害・診断名に関する用語(10語)
用語 | 解説 |
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ASD(自閉スペクトラム症) | 対人関係やコミュニケーション、こだわり行動に特徴がある発達障害。 |
ADHD(注意欠如・多動症) | 不注意・多動性・衝動性が目立つ発達障害。 |
LD(学習障害) | 読み書きや計算に困難を抱える発達障害の一種。 |
発達性協調運動障害(DCD) | 運動のぎこちなさが目立つ障害。 |
知的障害 | 知的な発達が年齢相応に達していない状態。 |
二次障害 | 不安やうつなど、周囲との関わりの中で後から現れる心理的問題。 |
グレーゾーン | 明確な診断基準に達していないが、特性がみられる状態。 |
療育 | 発達の偏りに応じて行われる支援や教育。 |
発達検査 | 子どもの発達の状態を測るテスト(新版K式など)。 |
DSM-5 | アメリカ精神医学会の診断マニュアル。発達障害の診断基準に用いられる。 |
【2】支援の場や制度に関する用語(10語)
用語 | 解説 |
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児童発達支援 | 未就学の子ども向けの療育施設。 |
放課後等デイサービス | 小学生〜高校生が対象の療育・支援施設。 |
相談支援専門員 | 支援計画の作成や福祉サービス利用の相談にのる専門職。 |
個別支援計画 | 子ども一人ひとりの発達課題や支援方法をまとめた計画書。 |
障害福祉サービス | 福祉サービス全般を指す。発達障害児の場合は児童発達支援など。 |
受給者証 | 福祉サービスを利用する際に必要な行政発行の証明書。 |
特別支援学級 | 通常の学校内にある、支援が必要な児童のためのクラス。 |
通級指導教室 | 通常学級に在籍しながら、週に数回通って支援を受ける教室。 |
発達支援センター | 地域の支援拠点。相談や発達検査、親支援などを行う。 |
早期療育 | 就学前から開始する発達支援。効果が高いとされる。 |
【3】療育のアプローチ・考え方(10語)
用語 | 解説 |
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構造化支援 | 環境やスケジュールを見える形で整える支援方法。 |
視覚支援 | 絵カードやスケジュールボードなどで情報を「見える化」する支援。 |
応用行動分析(ABA) | 行動を観察・分析し、望ましい行動を強化する支援法。 |
TEACCH | 自閉症の子ども向けに開発された支援法。構造化支援が中心。 |
感覚統合療法 | 感覚の過敏・鈍麻を調整する支援方法。 |
ペアレントトレーニング | 親が子どもへの関わり方を学ぶプログラム。 |
ソーシャルスキルトレーニング(SST) | 人間関係を築くスキルを練習する支援法。 |
ピアサポート | 同じ立場の仲間による助け合い。 |
インクルーシブ教育 | 全ての子どもが共に学ぶことを大切にした教育の考え方。 |
スモールステップ | 目標を細かく分けて、達成感を積み重ねていく支援法。 |
【4】特性・行動に関する用語(10語)
用語 | 解説 |
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切り替えの困難さ | 活動を変えることに強い抵抗があること。 |
感覚過敏 | 音・光・触感などに過剰に反応する特性。 |
感覚鈍麻 | 痛みや刺激に対する反応が鈍い状態。 |
常同行動 | 同じ動きを繰り返す行動(手をひらひらさせる等)。 |
パニック | 想定外の出来事に強く混乱し、泣いたり暴れたりする反応。 |
こだわり | 物や手順に対して強い執着を示すこと。 |
指示理解の困難さ | 言葉での指示を理解しにくい特性。 |
社会性の課題 | 相手の気持ちをくみ取ったり、場の空気を読むのが苦手。 |
興味の偏り | 特定の対象にだけ強い興味を持つ状態。 |
並行遊び | 同じ場にいても、互いに関わらず遊ぶスタイル。 |
【5】その他よく出てくる言葉(10語)
用語 | 解説 |
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療育手帳 | 知的障害があると判定された人に交付される障害者手帳。 |
障害者差別解消法 | 障害のある人への不当な差別を禁じる法律。 |
インクルージョン | 障害のある人を排除せず、共に社会をつくるという考え方。 |
二次障害 | 発達障害の特性に起因するストレスから生じるうつや不登校など。 |
ソーシャルストーリー | ある出来事を文章と絵でストーリー化し、理解を助ける手法。 |
ラポール | 支援者と信頼関係が築かれた状態。 |
定型発達 | 発達に遅れや偏りがない状態。 |
クールダウン | 落ち着くための時間や場所。 |
セルフコントロール | 自分の感情や行動を調整する力。 |
発達支援 | 子どもの発達課題に合わせた教育的アプローチの総称。 |
まとめ|用語を知れば、不安は減る
発達支援に関わる言葉は、最初は難しく感じるかもしれません。
でも、意味を一つずつ知ることで、子どもの姿が理解できるようになります。
この記事を繰り返し読むことで、支援者との会話もスムーズに、そして家庭での対応にも自信が持てるはずです。
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